資産運用

ゼロから学ぶ「米国雇用統計」

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こんにちは、Drオレンジ(@Dr_orange_bita)です。

日々経済ニュースやSNSの情報に触れてもイマイチ理解しきれていないことってありませんか?

その原因は前提知識が備わっていないことだと思います。言葉の意味や経済の流れが分からなければニュースを見ても理解しきれませんよね。

というか私もこの辺苦手意識があるので、自分の勉強・復習の意味もこめて一緒に勉強していきましょう。

さて今回は、ニュースや投資家界隈でよく話題になる『米国雇用統計』について、基本的なところを見ていきたいと思います。

米国雇用統計とは

米国雇用統計は毎月米国労働省が発表する雇用情勢を示す経済指標です。全米の約16万の企業や政府機関を対象として40万のサンプリングをもとに調査しており、全米の1/3を網羅していると言われています。

対象期間は前月の12日を基準日とし12日を含む週から3週間後の金曜日(つまり翌月の第一金曜日)に発表されます。

雇用統計の項目は10数項目にわたりますが、特に注目すべきは「失業率」と「非農業部門就業者数」の2項目。

  1. 失業率…16歳以上の働く意思のある人の内、失業者の割合
  2. 非農業部門就業者数…民間企業や政府機関に雇用されている人の数。(農業従事者、自営業者は除く)

なぜこれらが重要なのか、それは民間の消費に大きく関わるからです。

雇用統計によって為替が動く

引用:データで経済を見る

このグラフはアメリカの実質GDPの推移と内訳を示したものです。青色の個人消費がアメリカGDPの約70%を占めていることが分かります。

つまり、個人消費がアメリカ経済を支える重要なファクターであるということです。

シンプルに考えれば、失業率が高まり雇用者数が減少したら、GDPが落ち込む(=景気が悪くなる)傾向にある。逆もまたしかり、いうワケです。

ここまでは分かりやすいですね。

 

さらに米国連邦準備理事会(FRB)が絡んできます。FRBとはアメリカの日銀みたいなものです。

FRBは景気の安定を目標にしていますから、景気が行き過ぎていたら抑えたい、景気が悪かったら刺激して景気を良くしたいと考えます。

そのため政策金利を上下して景気をコントロールしようとします。

金利が高いと、払う利子が大きくなるのでお金を借りて事業や消費をしにくくなり景気が引き締められる。

金利が低いと、少ない利子でお金を借りれるので事業や消費をしやすくなり景気が緩和されます。

 

上記をふまえるとFRBの基本的な動きは

  • 雇用統計が良い➔景気が良いと判断➔金利を上げる(引き締め)
  • 雇用統計が悪い➔景気が悪いと判断➔金利を下げる(緩和)

となりますね。

 

さらにこれを受けて為替市場が動きます。

高い金利がもらえるなら円よりドルを持っていたいと思う人が増えるでしょう。逆にドルの金利が下がったら、円や他の通貨の方が魅力的に写るかもしれません。

そのため

  • 政策金利が上がる➔ドル買い➔ドル高
  • 政策金利が下がる➔ドル売り➔ドル安

という動きが為替市場で起こります。

以上の流れより

  1. 雇用統計が良い➔ドル高(円安)
  2. 雇用統計が悪い➔ドル安(円高)

となるのが基本の流れです。

株式や債券への影響

では株式や債券への影響はどうなるのでしょうか。

カンタンにいえば雇用統計が予想より良い数字なら投資家の間で安心感がひろがり株価上昇、さらに政策金利上昇により長期金利(米国10年国債金利)も上昇の傾向にあります。金利が上がると債券価格は下がります。

つまりリスクオン(株↑、債券↓)ですね。

ただしこれらはあくまで原則。他の要素によって市場の雰囲気が悪かったり投資家の心理的な側面により大きく左右されます。

ADP雇用統計

米国雇用統計の発表2日前に発表されるADP雇用統計という指標があります。

こちらはアメリカの給与計算代行サービス大手、オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社のデータをもとに算出した数値です。

マーケットに大きな影響を与える雇用統計の予測ができるためマーケットへのインパクトを緩和するのに一役買っています。

雇用統計をおさえて景気の動向を知ろう

今回はアメリカの雇用統計について基本的な見方・考え方を勉強していきました。

数ある経済指標の中でもかなり重要度の高いものなので、ぜひ押さえておきましょう。

今回は以上!

Drオレンジ
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