こんにちは、Drオレンジ(@Dr_orange_bita)です。
今回は高配当ETFとして人気の高いSPYDについて、除外された銘柄がその後どうなったか見ていきましょう。
なおSPYDホルダーは、不快に思う内容かもしれませんので若干閲覧注意です。
SPYDの除外条件
正式名称 | SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF |
---|---|
ベンチマーク | S&P500高配当指数 |
設定日 | 2015年10月21日 |
経費率 | 0.07% |
構成銘柄数 | 約80銘柄 |
まずはSPYDの除外条件を確認します。
SPYDはs&p500構成銘柄のうち、配当利回りの高い80銘柄に均等配分するETF。ポイントはリバランスが1月と7月にあり組み入れ銘柄の変更があるということ。
直近の配当実績を基準として、リバランス日の株価で配当利回りを算出。上位80銘柄に1.25%ずつ資金を投じます。
この条件から、SPYDから除外されるケースとして2つのパターンが想定されます。
- 直近の配当が少なかった。なかった。
- 株価が上がり配当利回りが低かった。
このどちらか、もしくは両方にあてはまることで配当利回りが上位80銘柄以下になると機械的にSPYDから除外されます。
このルールにより、常に高い配当利回りを維持する仕組みになっています。
除外条件に疑問が・・・
皆さんもご存知の通り、コロナショック後SPYDは大きな暴落から回復できておりません。

株価が回復しない理由は色々ありそうですが、銘柄の除外条件も大きく影響していると考えられます。
なぜなら、株価があがり配当利回りが低くなった銘柄は除外されるからです。つまり優等生からどんどん卒業していくシステム。
ん?一生株価あがらないんじゃ…。
なんかの間違いの気がしてきたので、除外条件をもう一度見てみます。
- 直近の配当が少なかった。なかった。
- 株価が上がり配当利回りが低かった。
①の条件によって除外されるのはOKですね。配当を出せなくなった劣等生(そうとも限らないけどここではそういうことにしておく)をSPYDから追い出してやる!ということです。
しかし、②の条件で除外するのは、株価上昇中で勢いに乗ってる優等生を積極的に手放していくのだから「なにやってんのマジで。」という話になります。
色々な見方ができますがここはシンプルに①はOK,②はNG。
2019年7月の除外銘柄たち
①と②のパターンどちらの除外が多いのか気になるので、約1年前の2019年7月リバランス時に除外された銘柄をみていくことにします。
SPYDの構成銘柄の推移とたどろうと、公式HPを確認したのですが最新情報しか見当たりませんでした。
そこで色々なサイトを探して2人の投資ブロガーさんの記事にたどり着きました…。助かった。感謝の意味も込めてご紹介します。
まずはこちらカブナマズさんのブログ記事。2019年5月、リバランス前の構成銘柄が確認できます。【2019.5更新】SPYDの全組み入れ銘柄と配当利回り
そしてもう1つはハルさんのブログ。2019年8月~のリバランス後の構成銘柄が確認できます。【過去履歴】SPYD構成銘柄とセクター比率の推移
上記2つの素晴らしい記事をもとに、2019年7月のリバランス時に除外された銘柄を特定します。
カブナマズさん-ハルさん=2019年7月除外銘柄
そうして抽出されたのがこちらの7つの銘柄です。
銘柄名 | ティッカー |
Extra Space Storage | EXR |
Mid-America Apartment Communities | MAA |
Macerich | MAC |
AES | AES |
QUALCOMM | QCOM |
Target | TGT |
Whirlpool | WHR |
では実際SPYDを爪はじきにされた銘柄たちのその後の歩みを見ていきましょう。
チャートで見るSPYD除外銘柄
チャートの色はSPYD(黄)、除外銘柄(灰)、比較用のSP500(赤)です。
1.EXR

2.MAA

3.MAC

なるほど。
EXR、MAAはsp500とSPYDの中間くらいまで回復していますね。微妙なところですが、SPYDは株価上昇を積極的に狙うETFではないので、この程度のキャピタルであれば犠牲にしつつ配当利回りを優先するというのもアリなんでしょう。
MACはかなり株価を下げていて目も当てられません。除外するのは妥当な判断のように思えますね。続きを見てみましょう。
4.AES

5.QCOM

6.TGT

7.WHR

・・・なにやってんのマジで。
めちゃくちゃ株価あがってますやん!これらを手放しておいて「株価上昇しない」って、そりゃ当たり前ですね。汗
結局除外した7銘柄中6銘柄がSPYDをアウトパフォーム。さらに3銘柄がSP500をも凌駕し、高いパフォーマンスを見せています。
直近の除外銘柄は株価下落。
念のため付け加えておくと、執筆にあたり2020年1月ならびに2020年7月のリバランス時における除外銘柄も確認しました。
全15銘柄中、11銘柄がSPYDを下回っておりました。しかし除外後の期間が短いので、これが短期的な値動きによるものなのか、実際に劣等生を振るい落とせたのか現状定かではありません。
考察-SPYDの性質
ここまで見てきて考えられることは、SPYDは株価上昇時にはスター銘柄を手放し(②の条件)、株価暴落時には劣等生を弾こうとする動き(①の条件)になりがちということです。
そして株価けん引役をどんどん放出する構造上、SP500の最底辺でも上昇するような強気相場でない限りSPYDの株価上昇は期待できないということが言えるのではないでしょうか。
コロナ前の「SP500よりキャピタルは若干下回ってるけど配当も含めたら同等かそれ以上のリターンだよ」という評価は、市場全体が強気相場だからこそ言えること。
コロナショック後の現在、勝ち組負け組がハッキリする相場が続いてます。この風潮が続くようならSPYDへの投資はかなり厳しいかと、個人的には思います。
高配当にはワナがある
今回はSPYDの除外銘柄のその後について見ていきました。高い配当利回りが魅力のETFですが、投資の際にはその性質をよく理解しておきましょう。
今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。
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