資産運用

QQQはGAFAM・ITセクターETFではない。

こんにちは、Drオレンジ(@Dr_orange_bita)です

GAFAMはじめ米国グロース株にまるごと投資できることで個人投資家に大人気のQQQ。私のPFでも主力ETFとして活躍してくれてます。

そんなQQQですが、ひとつ誤解をしてませんか?タイトルのとおり、QQQはITセクターETFでもGAFAMETFでもないのです。

この点を理解することは投資判断をする上で非常に重要になってきます。

QQQ基本情報

正式名称 インベスコQQQトラスト・シリーズ1
ベンチマーク Nasdaq100指数
設定日 1999/3/10
経費率 0.2%
構成銘柄数 約100銘柄

(皆さんすでにご存知だとおもいますが)QQQの基本データは上記のとおり。ベンチマークのNasdaq100指数に連動する値動きをしますが、このNasdaq100指数は、金融セクターを除くNasdaq上場銘柄のうち時価総額上位100位で構成されています。

厳密には組入れ条件があって、時価総額が126位以下、もしくは2年連続で101-125位の場合Nasdaq100指数から除外。構成銘柄以外の銘柄から時価総額が大きい順に組入れられます。

条件は基本的にこれだけです。もうお分かりと思いますが、SP500のようにセクター調整などもなく「金融を除く」ということ以外特にセクターにたいする制約はありません。

現在のセクター比率

現在のQQQのセクター比率はコチラ。

ITセクターが約50%、次いで通信、一般消費財、ヘルスケアと続いてます。組み入れ上位銘柄をみるとGAFAMで40%ちかく占めています。

このことからも「QQQを買えばGAFAMにまるごと投資できる!」というのは当然の主張でありまちがいない事実です。

昔のセクター比率は?

では昔のセクター比率はどうだったのでしょうか?2015年に作成されたNasdaq100指数の過去30年間を分析するレポートを見つけました。このレポートに一部、過去のセクター比率が記載されています。

引用BetaShares-NASDAQ-100-ETF-NDQ-Whitepaper

大変興味深いことに、1985年からNasdaq100のセクター比率はITがNO1であることに変わりはないのですが、全体に占める割合はわずか25%にとどまります。その後2000年代のドットコムバブルにより一時ITセクター比率が70%近くまで上昇。バブル崩壊後から現在までITセクター比率は減少傾向にあります。

また、2位のセクターも毎回顔ぶれが違うところにも注目です。2015年時点では一般消費財が2位につけていました。現在に2位は通信セクターです。

 

ここから分かることは、QQQのセクター比率はダイナミックに変わってきた。そしてそれは、今後も続くということです。

現在、たまたま時価総額100位の位置にITセクター、そしてGAFAMがいるということだけなのです。

S&P100との比較

ひとつ参考までに、S&P100という指標とそれに連動するOEFというETFを見てみましょう。

S&P100はS&P500の中でも大型優良銘柄100社で構成された指数です。主な選定基準は時価総額の大きさですが、セクター調整なども加味されています。現在のセクター比率はコチラの通り。

Nasdaq100と同様にITと通信の割合が大きいですが、セクターの一極化をある程度防げていますね。

QQQとOEFの比較チャートは下記の通り(灰QQQ、赤OEF)

このチャートを持ってQQQの方が圧倒的にパフォーマンスが良い!とだけ捉えるのかどうか。穿った見方をすれば「Nasdaqで時価総額が高かった銘柄がたまたまグロースセクターだったからこれだけ株価が上昇した」とも考えられないでしょうか?そう考えると人為的なセクター調整がされているOEFが健全なリターンのように思えてきます。

QQQを違った側面から考える

今日はこのくらいにして考察の余白を残しておこうと思います。

QQQはセクターETFではなく、ましてGAFAMETFではない。過去大きくそのセクター比率を変動させてきた。時価総額のみで決定される銘柄構成、そしてNasdaq市場そのものが過去と比較し成熟してきている。ともすればQQQは将来的にグロース株への投資ですらなくなるのではないか。そもそも自分はGAFAMに投資をしたいのか、ITセクターに投資をしたいのか。ならば「市場」に投資をするQQQで本当に適切なのか。etc・・・

こうして投資先のことを違った側面で考えておけば、今後の投資戦略、QQQの買い増しや売却時の判断に役立つと思います。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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