資産運用

【同じ?違う?】レバレッジETFvsレバレッジなしETFの信用取引

こんにちは、Drオレンジ(@Dr_orange_bita)です

レバレッジETFが人気ですよね。SPXLやTQQQ、以前ご紹介したTECLなんかが特に話題になる印象です。

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それで、ふと気になったんですよね。レバレッジETFに投資するのと、レバレッジなしETFに投資元本を数倍かけるのではなんか違うのかな?って。

ん?同じかな?ちょっと調べてみましょう。

レバレッジETFの特性をおさらい

レバレッジETFは「日々の値動きの3倍」動くETFです。日々の値動きなので、単純にリターンが3倍になるわけではありません。

Drオレンジ
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下の表で理解できるはず

  1日目 2日目 3日目
対前日 +10% -20% +15%
レバなし 110 98 112.7
レバ3倍 130 104 119.6

レバなしのリターンが+12.7%、3倍レバで+19.6%となりまったく3倍のリターンにはなってませんよね。

なぜこうなるか「上の表だけだと説明不足でよう分からん!」という方へ、とある天才がまとめた分かりやすい記事がありますのでぜひご参考ください。【図解】複利効果を図で解説!【レバレッジ3倍ETFの3倍複利】

ここでは単にレバレッジ3倍だからリターン3倍じゃないよってだけ認識いただければOKです。進めます。

信用取引とは

レバレッジETFと似たような考え方に「信用取引」があります。一応ざっくりおさらいすると預けている資金を担保に証券会社からおカネを借りて投資する仕組みのことです。大昔に書いた記事があるのでもし詳細が気になる方はご参考に。

信用取引の仕組みを分かりやすく解説!株をやるなら抑えておこう 過去記事で、「空売り」についてお話しました。空売りの仕組みはコチラ!知らなきゃ損!?「空売り」の仕組みやメリット・デメ...

つまりは信用取引を使えば投資元本を増やせるわけです。信用二階建てというもろ刃の剣を使う勇者は、もっているおカネの3倍まで取引できます。

 

ん?つまりこれってレバレッジ3倍ETF買うのと同じこと??

 

というのが冒頭の私の疑問です。

計算してみる

そもそも米国株の信用取引ができる証券会社は少ない、とか信用取引にかかる金利が高い、とか色々と考慮することはあるのですが、ここはそういった細かいことは一旦無視してシンプルに考えましょう。

投資元本は100万円とします。

片方は3倍レバレッジETFに全額投資。もう片方は信用取引を使って300万分をレバなしに全額投資。日々の値動きは適当に設定して10日後どうなってるか計算してみます。(比較用としてレバなし信用なしで100万円を投資するパターンも計算)

 

ではいってみましょう。レバレッジETFvsレバなし信用3倍どっちがどうなるのか対決!2020秋!

 

 

・・・いざ!!

 

 

ぜんっぜんちげぇ・・・(ドン引き)

 

まぁ考えてみれば3日目以降の計算が2日目の資金額をベースにしてるので、信用取引と違うのは当たり前でしたね。しかしここまで違うとは。

では実際にETFの過去データも見てみましょう。

SPXLとSPYの比較

下はSP500に連動するETF「SPY」と、日次でSP500の値動きの3倍を目指す「SPXL」の比較チャートです。(灰SPY 赤SPXL)

SPXLあらぶりすぎでしょ。笑

直近高値の2/17から計算したコロナショック時の騰落率は

SPXL -65.7%

SPY -24.0%

なかなかえげつない値動きですね。で、肝心のリターンはというと、2010年あたりから約10年の計算でSPYは+220%、SPXLは+1200%となっています。

13倍になるとは。ものすごいですね。SPYに信用3倍で投資したとしても+660%にしかならなかったことを考えるといかにレバレッジETFが強力か分かります。

しかしドローダウンがえげつないのは事実。レバレッジETFへの長期投資は、リスクは信用取引以上であるということを念頭に入れておきましょう

TOPIXも見てみる

とはいえ最強指数のSP500が超調子よかった10年間を切り取っただけではフェアじゃありませんよね。

それに外国ETFは実際SBI証券や楽天証券などのメジャーどころでは信用取引できません。

というわけで、オマケとして同じ時価総額加重平均型の株式指標であるTOPIXの比較もしておきます(赤 TOPIXブル2倍、青TOPIX連動ETF)

SPXLと比べると割と穏やかな値動きに見えますね。

 

リターンはTOPIX+107%、ブル2倍+266%となっています。

ここから言えること

今回の考察が投資に役立つのは「レバレッジETFを使うべきかどうか」というシーンでしょう。

例えば現金300万円持ってて

  • 100万円をTQQQに投資
  • 300万円をQQQに投資

上記2つは全く別物のPFになるということです。レバレッジETFは資金量に対してリスク(振れ幅)だけを3倍にしている認識をもてばPFを組む際に誤解が生じなくて済むかと思います。

個人的には投機的な意味あいで少額をPFに組み込んでおくのはアリかなぁといったところですね。

まとめ

今回はレバレッジETFと信用取引でどう違うの?というところを見てきました。レバレッジETFの正しい認識はリターン3倍ではなく、リスク3倍です。上級者向けの投資先なので、投資検討の際には仕組みをよく理解しておきましょう。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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