資産運用

【だれも知らないETF】元本減らしたくない。でも配当欲しい。INKM。

こんにちは、Drオレンジ(@Dr_orange_bita)です

先日ツイッターでこんなやり取りをしました。

コチラの記事に対する感想をいただいた後のやり取りだったのですが、それで思い出したことがありました。「なんか高配当だけど値動き安定してるETF以前見つけたなぁ」てわけでご紹介します。

特に推奨するわけではないですが、こんなのもありまっせという感じです。とくにSPYDを使ったポートフォリオを組む際に参考になるかと思います。

INKMの基本データ

正式名称 SPDR SSGA インカム・アロケーションETF
ベンチマーク MSCI World Index、Bloomberg Barclays US Long Government/Credit Bond Index
経費率 0.5%
設定日 2012/4/26
構成銘柄数 14

INKMとは、インカム(配当、利息)の最大化に重きをおいたアクティブ型のETFです。アクティブファンドなので経費率は0.5%と少しお高いですね。ETFのコンセプトは「インカム・ゲインが期待される資産クラスへの投資を通じて、元本成長を追求するアクティブ・ファンド」とのこと。

つまり名づけるならあんまり値上がりしないけど安定感ありつつインカムでお金増やしちゃうぜETF(圧倒的ネーミングセンスに全米が涙)

このETFの良いところは株式だけでなく債券やリートなど他のアセットクラスも上手く組み合わせているという点ですね。

アセットアロケーションはこんな感じ。

株式は全体の3割強にとどまっており債券やハイイールド債、不動産(リート)なども組み合わせています。ちなみにこのETFはETFを運用するETFなので、二重に経費が掛かっていることも頭に入れておきましょう。

 

またSPYDも18%程度保有している点に注目ですね。このETFを学べば、SPYDを使いつつ値動きをおさえた高配当ポートフォリオを組む参考になるんじゃないかと思います。

 

では気になる配当利回りを見てみましょう。

INKMの利回り

各年の9月の配当権利確定日に購入して1年間保有した際の利回りを計算してみました。

年度 分配金(ドル) 利回り
2012 1.229 4.0%
2013 1.189 3.9%
2014 1.025 3.2%
2015 1.059 3.6%
2016 0.975 3.1%
2017 1.013 3.1%
2018 1.573 4.8%
2019 1.46 4.3%

年によってばらつきがありますし、増配傾向にあるとも言い切れませんが3~4%程度の利回りを安定して得られてますね。なかなか優秀ではないでしょうか。

しかし問題は値動き。SPYDのような感じになっていないか心配ですので見ていきましょう。

INKMの比較チャート

まずはコロナ前後のチャートを確認します。(赤sp500、ピンクVYM、灰INKM、黄SPYD)

 

・・・いざ!

 

 

 

これはかなり素晴らしいのではないでしょうか?VYMとほぼ同じ水準ですし、暴落時も一番安定感があります。

INKMが直近高値をつけた2020/2/21からの騰落率は

SP500 -33.0%

VYM -34.7%

INKM -28.5%

SPYD -46.7%

良い感じですね。さすが値動き安定インカムマン。ではもうちょっと長期で見てみましょう。こちらは2016年あたりからの比較チャートです。

まぁこうなりますよね。

 

米国株が強すぎた期間ということもありますし、カントリーリスクをとってる(米国に集中投資してる)sp500やVYMと比較するのはキツかったですね。

ま、超長期でみても株式は他のアセットと比べて抜きんでたパフォーマンスを発揮しますから、安定を求めて他のアセットを入れるのであれば、この結果は仕方ないと思います。それにこのチャートは配当を考慮していない点にもご注意。

 

カントリーリスクという点INKMはMSCIワールドインデックスを一応ベンチマークとしているので、同じ全世界系ETFのVT、AWCIと比較してみましょう。

まぁこんなものでしょう。

 

暴落後の現在、INKMの配当再投資課税後の年平均リターンは3%程度となっております。

INKMの中身もみてみよう

ではINKMの値動きのメカニズムをカンタンに見ていきましょう。組み入れ上位5銘柄を比較チャートで見ていきます。

水色・・JNK ハイイールド債(社債)
紫・・SRLN シニアローン
ピンク・・EBND 新興国債(ソブリン債)
黄・・SPIB 米国中期社債

Drオレンジ
Drオレンジ
オレンジはSPYD、灰色がINKMです。
まず5年チャートはこちら。

上昇局面でもローンやハイイールド債などの値動きは比較的安定していて、SPYDが頑張ってみんなを引き上げていったのがよく分かりますね。

 

コロナ前後はコチラ。

コロナショック前後は中期社債(黄)がほぼノーダメージ、ハイイールド債や他のアセットもある程度マイルドな値動きになっていてSPYDのダメージをカバーしています。上昇時も暴落時も互いにカバーしあえているのがよく分かりますね。

 

中期社債「今までSPYD一人に背負わせてたんだ。お前が調子悪いときのために俺らが要るのさ。なぁ!」

他のETF「そうだ!任せとけ!!!」

SPYD「お前らぁ・・・」

という熱い友情ストーリーが繰り広げらているようです。泣けますね。笑

 

なお、債券の動きと株式の相関関係はコチラの記事にまとめてますのでよかったらご覧ください。

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まとめ

今回はINKMというETFをご紹介しました。SPYDを利用したポートフォリオの完成系の一つと言えなくもなさそうですね。

アクティブファンドで経費率が高いので、このETFを購入するというよりは考え方や値動きを参考にしてPFを組むというのが良いのかもしれません。

今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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