リスクという捉えがたいものを論理立てて説明するにはいくつかの要素がありますが、今回「フィードバック」について取り上げてみたいと思います。
1.フィードバックとは
フィードバックとは、
ある事象の結果が他の事象の原因となる
ことを指します。
会議やプロジェクトで、
「今回の結果をまとめてメンバーの皆さんにフィードバックして下さい。」
なんて使われたりしませんか?
この場合は、
今回何らかの形で出た結果を、会社の次のアクションを起こす際の参考とするため情報共有する
という意味ですよね。
PDCAを回して下さい!なんてよく言われますが、
A⇛次のP
に繋がる部分はフィードバックと言えます。
そしてフィードバックが繰り返し行われることを
フィードバック・ループ
と言います。
1-1.ファットテールの原因
一旦、話を前回の記事に戻します。
前回の記事でランダム性を説明した時に、ランダム性がある事象は結果を重ねていくことで正規分布を描くと言いました。
正規分布図の両端は、テールと呼ばれるめったに起こらない事象を表しています。
完全にランダムであれば、正規分布図に従い、めったに起こらない事象は下記のようなテールを描きます。
しかし、現実世界では本来のテールと比較して、めったに起こらないと考えれている事象が頻繁に起きています。それを分厚い裾、ファットテールと呼びます。
正規分布からなる本来のテールで考えるとするならば、1987年に起きたブラックマンデーと言われる株式市場の大暴落は、宇宙が何度誕生と滅亡を繰り返しても起こることが考えられないくらい低い確率だと言われています。
つまりランダム性だけでは市場のリスクを説明できないのです。
1-2.売りが売りを呼ぶ
では、2000年代のインターネットバブルや世界恐慌やブラックマンデー等の大暴落はどのようにして起こるのでしょうか。
これを説明するのが、フィードバックループです。
例えば、ランダム性により株価が下がったことで、信用取引の追証が発生した個人投資家が追証に応じられず株を売却、それにより株価は更に下がります。その下落により今度は機関投資家が、リスク管理のためにその銘柄を損切り更に株価は下がります。この下落を受けたことで別な個人投資家は信用売を行い・・・・・。
株価は需要と供給によって動きますので、売る人が多いと下落します。
株価が下落すると、リスク管理として事前に決めていた損切りラインを割ったため売却するという投資家が現れます。
■フィードバックループの一例
①ランダム性による下落
↓
②信用取引の追証発生。株を売却し、株価は下落。
↓
③機関投資家の損切り。株を売却し、株価は下落。
↓
④個人投資家の空売り。株価は下落。
↓
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このようにフィードバックループが発生し、売りが売りを呼ぶことで株価が暴落をしたのだと考えられています。
バブルの場合には、これが逆に働き、買いが買いを呼び株価の高騰を発生させるのです。
1-3.止まるまで乗る。止まったら素早く逃げる。
では、フィードバックループによるバブルや暴落のリスクに、私達はどのような対処をすればよいのでしょうか。
答えは、
いつでも逃げれる用意をしていて、止まるまで乗る。
止まったら素早く逃げて近づかない。
フィードバックループは、ランダム性やその他の些細な事象をきっかけとして発生するため事前に発生を予知することは不可能です。また、一度発生したら、いつフィードバックが終わるかも予測出来ません。
いついかなる時でも歴史に残る大暴落は起こり得るのです。
このことをしっかりと頭に入れておき、
いつ暴落が起きてもいいように逃げる準備を常日頃から怠らないこと。
そして、逃げたらフィードバックループが完全に終わったことを確認できるまで投資を行わないということ。
この2つの心構えが、フィードバックループに対する有効な対処方法です。
まとめ
今回はリスクの第2弾としてフィードバックの構造とその対処方法について説明しました
少しでもこの記事皆さんのお役に立てれば嬉しいです
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